無期迷途（むきめいと）のメインストーリーの追想記事です。ネタバレを過分に含みますのでご注意下さい。未プレイの局長はプレイを始めるかどうかの判断に。既プレイの局長は追想して頂ければ幸いです。
プロローグ
目覚め
深い、深い夢から覚めると目の前には「謎の女」が治療ポットに座ってこちらを見つめていた。
一人だけ意識のある触手により拘束された研究員が、私の事を「局長」と呼び治療ポットから離れるなと警告する。
しかし、「謎の女」の触手により研究員は吞み込まれ見えなくなってしまった。
そこへ銃声と共に、冷静な女性の声が聞こえる。
彼女も私を「局長」と呼び、どうやら私を助けに来たようだった。
彼女は別の男から「ナイチンゲール副官」と呼ばれていた。
私は何とか起きようとしたが、撃たれて死んだはずの「謎の女」により治療ポットへと押し戻されてしまった。
彼女がゆっくりと近付き、私の頬を撫でる。
頬が彼女の爪によって傷つけられ痛みを感じる。
彼女が指先の血を舐めながら、ゆっくりと身を起こすと彼女の顔が徐々に薄れていき、身体も歪み変化していく。
そして、私の姿になった。
彼女？彼は「さよなら」と一言残し、ゆっくりとこの地を去った。
その後、「副官」と呼ばれた彼女が近づいてきて私をゆっくりと起こし、上着を羽織らせてくれた。
彼女は自らを「ナイチンゲール」と名乗った。
彼女は意識修復プログラムが破壊されてしまい、私の記憶が深刻な状態にある事を説明してくれる。
そして私がミノス危機管理局の新たな「局長」であると教えてくれた。
そこへ警報システムが鳴り響く
副長は警告する。ここはミノス危機管理局。最悪と言える罪人たちを収監する刑務所であると。ここに収監された罪人たちはいずれも人類にとって無視できない脅威であると。そして「局長」こそが彼らを拘束する最強の力だったと。
しかし先ほどの「謎の女」侵入者が暴動を起こし、収監された罪人を制御できなくなり暴徒と化した。
その暴徒たちが真っ先に狙うのが局長だと教えてくれる。
まさにその時、暴徒達が雪崩込んでくる。
影
殿を警備隊長に任せ、副長と局長は秘密通路へ
通路を抜けると副長は片側の壁にあるギミックを操作しエレベーターを出現させ、副長は自身が囮となるので局長は秘密の階層で救援が到着するまで待つように伝える。
しかし局長は共に戦うと副長に伝える。
副長は命令に従いエレベーターを再度操作し目的地を変更した。
副長は管理局内部の戦力では救援まで耐える事は不可能だと。この危機を乗り越えるには方法は一つしかないと説明する。本来は頼るべきではない力が、この檻の奥に眠っている。迫りくる敵よりも遥かに危険で強力な力だと。
そしてエレベーターの扉が開くと同時に副長により局長はエレベーターに押し込まれてしまう。
扉が閉じた瞬間、空間さえ震える激しい爆発が起きた・・・
目が覚めた時にはエレベーターは既に止まっていて金属製の扉が勝手に開閉を繰り返すだけだった。扉の外には空っぽの牢屋が静かに広がっている。
局長は副長の最後の言葉を思い出していた。
階層を２つ降りてB-3エリアに向かうようにと。
そこには自らの意志で牢に残った罪人が一人居ると言う。彼女のコードは・・・
副長の言葉を思い返していると牢獄の中の少女が話しかけてきた。
少女は「ヘラ」と言うらしい。
局長を警備員と勘違いし、ここから出してくれないかと願い出る。
鍵は明らかに何かの鈍器で叩かれた跡がある。割れた画面に「解錠失敗」の警告が光っている。そして少女の足元には曲がった鉄パイプが隠されている。
次の瞬間、少女は豹変し檻越しに局長を拘束してくる。そして扉を開けるように脅迫する。
突如、一つの黒い影が局長の前を通り過ぎるとヘラが甲高い声を上げた。声と共に鉄パイプも音を鳴らし床に落ちた。
局長の正面に扉が開いている牢屋がある。影はゆっくりと静かにうごめいていて、とても不気味な気配がする。その影の真ん中で一人の細い少女が壁に寄りかかり座っている。
局長は『S-019』かと声を掛ける。
あなたが・・・新しい「局長」？
少女は何も言わずに立ち上がり足元にうごめく粘り気のある影と共に闇から出て、局長に向かって歩いて来る。気づいた時には、影はあなたの手足に巻きついていた。血管が凍り付いたように寒い。恐怖で心臓まで痛み出した。
少女は答える。コード『S-019』、コンビクト。能力は『悪夢の呪い』だと。
そして私たちを『枷』で束縛し制御する者。それがこの檻の「局長」だと伝えてくる。
「局長」、あなたは・・・『枷』を見つけたのかと問うてくる。
少女が真っすぐに局長の目を見る。影があなたの喉まで上がった。冷たい殺気で全身の神経が震える。少女があなたの手を取って、自分の鎖骨に導いた。すると全てが闇に落ちた。
暗闇の中で目の前の少女しか見えない。その冷たい視線を浴びながら騒めきが局長の身体に入り込んだ。 局長の魂を引き裂くと喚きながら脳内で暴れまわる。
少女はさらに問うてくる。「本能に従ってわたしを束縛してください。 あなたはそのための存在。」
すると局長の手が勝手に動き、ぐいと少女の首を絞めた。灼熱の痛みと共に赤色の紋様が皮膚に浮かんだ。その熱い紋様は少女の皮膚まで伸びてそれだけではまだ満足せずに、闇を破り部屋全体に拡散した。
赤い紋様はヘラの身体にも上り、幾らもがいても逃げられないよう熱い枷の様に少女の全身を束縛した。『S-019』と自称する少女が立ったまま目をじっと見つめる。
たった一瞬で何か強大な力を掴んだような深淵の狂気を覗いたような気がして・・・
少女が見ている。少女の傍の黒影は今、はっきりと見えている。それはあの怖い悪夢の正体だ。だが今は全く恐怖を感じなかった。
暴徒がすぐそこまで迫ってきてる。騒ぎに引き寄せられ喚きながら襲ってくる。
あなたはもう本当の意味で「局長」になった。命令を下さい。これからはあなたの命令しかいらない。
白獣
暴徒を鎮圧後、局長は『S-019』の名前を思い出す。少女の名前は「ヘカテー」だ。
秘密通路へと戻った局長とヘカテーとヘラはナイチンゲール副長と合流する。
副長はコンビクトが二名しか残って居なかった事に嘆くが「ヘカテー」が居れば十分だと言い、片づけは残りの警備員に任せ「謎の女」を追う事にする。
一行はコンビクトの地下実験区域に到着する。
侵入者は奇妙なピラミッドの前に立ちすごいスピードで操作している。彼女は依然とし局長の姿のままだった。
局長の生体情報を盗んだとしても本当の力まではコピーできない。降伏するように『擬態のコンビクト』に勧告する副長。
しかし『枷』は厄介だがまだやれることはあると「彼」の手を操作盤に置いてシステムを起動した。次の瞬間、ピラミッドが頂上から裂け、狭い隙間が構築される。侵入者はその中に進みそれと同時に巨大な何かが局長たちの前に立ち道を塞いだ。
同時にヘカテーが彼女の「悪夢」と一緒に局長の前に立った。
先ほどまでの化け物より遥かに強く気を付けるように副長から注意を受ける。
発端
協力し化け物を倒した。
前触れもなく地面が裂けた。白い触手が何本か地下から現れ、地下実験区域を丸ごと破壊した。そして侵入者が一つの触手に乗って地上に戻ってきた。
侵入者は彼らが生きている事を喜んだ。
侵入者は自ら束縛を受けた「ヘカテー」に対してコンビクトらしくないと言い放つ。副長はどんな能力を持っていたとしても、局長の『枷』には逆らえないと挑発する。
次の瞬間、あなたの足元の地面が急に崩落した。白い触手がしっかりと身体に巻きつき侵入者の元へ向かう。その動きはあまりにも速く眩暈がした。
ヘカテーが黒影を放ったが次から次へと現れる白い触手に食い止められてしまった。今再び、侵入者と二人きりになった。
副長が『枷』を使うようにと叫ぶ。
局長がもがきながら侵入者の手を掴んだ。赤い紋様がまた手の平から現れ、相手の身体を縛った。偽装が赤い紋様に焼かれて彼女の姿が曖昧になる。
しかし彼女が軽く手を振っただけで彼女を束縛する『枷』が全て崩壊した。
風になびく金色の髪。目の前の女がようやく本当の姿を現した。
金髪の女が自分を覚えているかと問うてくる。
覚えていないと答えると彼女はにっこり笑って局長の頬を抱え込む。
「それじゃ、これを機にしっかりと覚えていてね。次に会えるのはずいぶん先になるから。」
銃声が響く。
何本かの触手が撃たれ真っ二つになった。それにより触手でできた白い壁に穴が開けられた。穴の向こうでナイチンゲール副長がこちらに銃を構えている。
「あなたの目的は何？」
金髪の女が笑った。そして身体に巻きつく触手が緩むと局長はそのまま下の肉片へと落下するが、ヘカテーに受け止められた。
それと同時に倒された白い化け物が急に身を起こし翼を羽ばたかせる。激しい気流に圧倒され全員は身動きできなくなった。
硝煙の中、女がゆっくりと化け物に向かって歩く。
「秘密はいつか暴かれるでしょう。 でも、それは今じゃない。」
「あなたたちの街を見てごらんなさい。 人類の罪悪がどんな化け物を育 てたのかを・・・これが最後の狂宴。」
「この騒乱の終わりを見届けて。 何があっても目を離さないで。それができたら・・・」
「あなたの望むすべての答えを持って、 終着点であなたを待っているから。」
「さよなら・・・」
白い化け物は空に飛び立ち、激しい気流に乗って羽ばたき夜空に消えた。
用語解説
ミノス危機管理局
コンビクトの収容および管理を担当する機密組織『MBCC』。かつてはFACに所属していたが、現在は第九機関の指揮下で狂瞳事件の対応にあたっている。
管理局
コンビクトの収容および管理を担当する機密組織
MBCC（Minos Bureau of Crisis Control）。かつてはFACに所属していたが、現在は第九機関の指揮下で狂瞳事件の対応にあたっている。
職務
コンビクトの収容や管理を行い、リスクを抑える。また、局長が制御下にあるコンビクトを率いて様々な狂瞳事件を処理している。
所在地
MBCC本部はディスシティの外れにある機密エリアに存在する。
地上部は通常の事務処理に使用されるのみで、 コンビクトに関連する部署の大部分は地下に設置されている。
組織構成
ミノス危機管理局の組織構成
- 局長。 MBCCの最高指導者。 副官とともに特別行動や部門間
の関連事務を指揮する。 - 監督部門。非作戦状態のコンビクトを監視、管理し、コンビ
クト用の関連施設も用意する。 - 逮捕行動部隊。 コンビクトを追跡し、局長に協力してコンビ
クトを逮捕する。 - サポート部門。 情報部、医療班、調達部門などがあり、 局長
及びコンビクトの行動を支援する。
コンビクト
狂瞳病感染者の一部には、常人を超える力を持つ「コンビクト」として目覚める者がいる。その原因は不明である。
狂瞳
コンビクトの力は全て狂瞳病によってもたらされたものだが、コンビクト自身が狂瞳病を伝染させることはない。
特化
サンプルを分析した結果、研究者はコンビクトの異能力をその特質ごとに6つに分類した。
- カタリシス特化。該当するコンビクトは、極めて鋭敏な精神を持つ。卓越した共感力と洞察力を持ち、周囲の人に特殊な共鳴効果をもたらす。
- アーケイン特化。該当するコンビクトは、極端な性格と非常に強い想像力を持つ。その想像力により無意識に現実を歪め、物理常識に反する超常現象を引き起こす。
- フューリー特化。該当するコンビクトは、強い自我を持ちあらゆる束縛を嫌う。全てを破壊することを望み、その破壊欲を満たすために自身の血肉を犠牲にすることも厭わない。
- エンデュア特化。該当するコンビクトは、非常に強情な一面を持つ。目標や約束に対し驚異的な忍耐力と責任感を示し、強い意志をもって様々な危険や圧力を耐え抜く。
- レチクル特化。該当するコンビクトは、非常に強い集中力を持つ。ある事象に長時間没頭することで、非常に正確で独創的な判断力を身につけ、専念する事象を深く理解し、柔軟に対応かつ利用することができる。
- アンブラ特化。該当するコンビクトは、理屈では説明しにくい霊感と直感を持つ。直感に頼って選択することが多いと同時に不変のものを嫌悪し、自身や外部の安定を打破する傾向にある。
崩壊
個体のM値が危険数値帯に達すると、崩壊して死瞳に成り果てる。コンビクトの臨界値は常人より遥かに高いが、崩壊する可能性がある事に変わりは無い。
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